お勧めの本(多分に主観的・趣味的)

Semitotics is not my major study.
Please tell me your favorite books.


手近で手にはいるものを何冊か。

ロラン・バルト 「恋愛のディスクール」(みすず書房)

(Roland Barthes "Fragments d'un discours amoureux")

ロラン・バルトのこの本は読みやすいうえに「素晴らしい」としかいえない。

ゲーテの「若きウェルテルの悩み」を主に読みとくので、読む順番はともかく、

両方読むことを勧めます。


小野谷 敦 「もてない男 -恋愛論をこえて」(ちくま新書)

全編、女性への「私怨」で書かれた(と見せかける)本。前掲のバルトのも

のが、「恋愛はすばらしい!」というところでまとめてしまえる(記号論的

読解を考慮せず、表面的な内容では)のに対し、実際に「もてない男」の書

いたものとして、極めて説得力のある「恋愛論」である。

が、本書の主眼は、考察されてこなかった「もてない男」を引合に出して、

フェミニズム運動(上野千鶴子や宮台真司も含めた)に対して、一つの疑問

提起を行なうことに置かれているのではないだろうか?


浅田 彰 「構造と力 〜記号論をこえて〜」(勁草書房)

一部ではとても有名になった、ポスト構造主義への橋渡し的存在。

この本の「序にかえて」は、私の大学生活にも多少の方向性を付

与した。内容、文章は結構難解。読むのに時間と気合いが必要。

東 浩紀 「存在論的、郵便的 -ジャック・デリダについて」を読む

上で、改めて読み返しているところ。


小林 康夫 「思考の天球」(水声社)

息抜きにと思って買ってみたところ、結構読みごたえがあった。

読み返すごとにいろいろなテーマで考えられる本。学術論文では

ないけれど、分類は不可。「エッセイのようでもあり、何かを主

張しているようでもある(あとがき)」。最初に読み通すのがけ

っこう大変だったが、一度読んでしまうと、何度読み返しても

おもしろい。その点で、カフカ的かも?

著者は、知の技法、論理、モラルの、いわゆる「知の3部作」

の編者でもある。


小松 美彦 「死は共鳴する -脳死・臓器移植深みへ」(勁草書房)

玉川大助教授、小松先生の著書。「自己決定」という言葉、考え方を

用いた、脳死・臓器移植問題の批判的入門書でもある。しかし、

「自己決定」という考え方そのものは、この本だけでは把握しきれ

なかったので、参考に「現代思想」のバックナンバー(1998年

8月号)を読むとよいかも。できれば、「科学史」(東大、玉川大)

と、「応用倫理学」(東大)ないし「現代社会論」(玉川大)を受

講すると、先生の主張に対しての理解が深まる。


宮台 真司 「<性の自己決定>原論」(紀伊国屋書店)

都立大助教授、宮台先生が「プロデュースした」書。本人以外にも、何

人かの論者が「援助交際」肯定論に立って、問題点やこれまでの経過を

論じる。その理論的な肯定枠組に「自己決定」という言葉を持ちいてい

ることが、「読書人」上での二人の「論争」の原因。しかし、根本的に

は二人のいう「自己決定」のフィールドが違うことが原因と思われる。

この本のタイトルは、「<性の自己決定>原論」であり、「<性の>自

己決定原論」ではないことに、注意が必要。

メインページへ